はなめも。~花屋のメモ帳~

現役フローリストが語る花と花屋のあれこれ。初心者向けにわかりやすく書いてます。花生活を始めませんか。

かすみ草が大人気!その理由と、知られざる背景。

かすみ草について

フローリストのいろはです!今回は大人気の【カスミソウ】について紹介したいと思います!昔から花屋さんで扱ってますので、きっと御存知の方も多いのではないかと思います。

 

この花、どうしてこんなに長く愛されてきたのでしょうか。そして近年は、また違った見方をされており、再びその人気に火が付いています。

 

今回はその人気の秘密に迫ってまいりましょう!

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 かすみ草ってどんな花?

白い小花が沢山咲いている、とっても可愛らしいお花です。一本の茎から、たくさん枝分かれしていて ボリューム満点な花ですね。細い茎ですが、程よく硬い。それでいて、ポキポキと簡単に折れる事もなく、しなってくれる。理想的な茎だと思います。

 

白なので主張も控えめで、一緒に飾る相手を選ばないところが良いですね。ただ、可愛らしさが強いので、スッキリとスタイリッシュなデザインや、モダンな感じのお洒落な雰囲気に於いては、ちょっと使いにくい時もあるかもしれませんね。

かすみ草って、名脇役?

1本でもかなりのボリュームを誇るかすみ草ですが、最近までは主役の花と混ぜて使う【脇役】として活躍することが多かったんですよ。

 

花と花の間に挟むように入れて隙間を埋めたり、ボリュームが欲しい時に花から飛び出すようにアレンジしてみたり。

 

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価格も安くは無いですが、金額に見合っただけのボリュームを演出してくれること、白い花というのがどんな色とも比較的に相性が良い事から、

お客さんにとってもボリュームがある花束やフラワーアレンジメントが作れてお得ですし、花屋にとっても使い勝手の良さから、有れば非常に心強い花として人気を博していました。

もちろん今でもそういった使い方をされています。

最近の傾向

最近の傾向として、今までの脇役としてのカスミ草から、主役としてカスミ草を使うという事へと変化しつつあります。どういう事かというと、単純にカスミ草という 可愛らしい花が好きなので、それをメインに作って欲しいという声が増えてた という事です。

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 もちろん今まで通り脇役としても使います。しかしその一方で、こういった新しい感覚が浸透して来ているのには、どういった背景があるのでしょうか。

気取らない、さり気ない感じがトレンドに

その背景には、多くの人が豪華でゴージャスで、派手なものを好まなくなった。という事が言えるのではないかと推測しています。特に若い方ですね。

 

かすみ草に限らず、今までは花と言えば特別なもの。【華やかで、美しく、豪華で派手であれば、それだけ格調高いもの】として好まれていたのだと思います。

 

更に言うと、プレゼントとしても、そういった【値段の高そうな物】に価値を感じている傾向が強かったのではないでしょうか。バブリーな考え方というか。

 

それが薄れてきて、今は可愛らしかったり、こじんまりとした物だったり、さり気ないものだったり・・・。そういったものが好まれるという感性が、最近の人気の理由に大きく関わっていると思います。

 

また、今までの脇役という概念に縛られない考え方を通していく、新しい考え方が根を張ってきたのだと思います。常識に縛られず、良い物は良い。好きな物は好き。こういった考え方のもとでの人気もあると思います。

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若い方同士のプレゼントではよくカスミ草を沢山使って欲しいと 言われますが、年配の方へのプレゼントではあまり言われないですからね。とっても良い傾向ですね。今でも昔からのイメージのせいで用途が限られている花や、決まったポジションにしか居られない花が結構ありますからね。

 

菊とか、アスターっていう花とか、スターチスとか・・・。この勢いで今までの考え方を一蹴して、新しい風を吹かせていこうと思う次第です。

 

カラフルなかすみ草

実はかすみ草は白だけではなく、青や赤、黄色やピンクといったカラフルな色も存在します。これらは、専用の色の液体を吸わせて染められたものになります。

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自作も可能ですが、失敗したらもったいないのと、沢山作るつもりで無ければ買った方が安いので、あまりお勧めはしません。一度かすみ草の水を抜いて、新たに好みの色の液体を吸わせるだけですが、案外きれいに均一に染まらないです。

 

注意点

染められたカスミ草は、葉っぱや茎もその色に近くなります。その為、触っていると手に色が移る事が有ります。そのままシャツや白い物に触れると、それにも色は付いてしまうので、扱う際は気を付けましょう。

 

そして、特に注意したいのが浸かっているいる水です。染められたカスミ草を水に浸けていると、その水まで色が着いてしまいます。

 

水替えの際はもちろん、花を入れる花瓶にも注意が必要です。ガラスなどの透明な器は色移りすることが有るので気を付けましょう。

 

ドライフラワーとして

かすみ草はドライフラワーとしても人気が有ります。簡単に作れますので、ぜひ挑戦してみてください。これについては、また別の記事を書こうと思います。

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まとめ

という事で、最近人気のカスミ草の事を書いてみました。人気の背景は、やはり時代背景。人々の心境の変化は、環境の変化でもあると思います。

 

またバブリーな時代が来たら、もっと値段の高い花が大人気になるかもしれませんね。その時はまた、こんな記事が書けたらいいなと思います。

 

お付き合い頂きありがとうございました。

いろはでした♪